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Raid trek Qomolangma同行記 第1回

天空の青蔵公路を、オートバイで駆ける。

この秋のポストモンスーン期に、新疆ウイグルのカシュガルから、チベットのラサまで、オートバイで駆ける「レイド・トレック・チョモランマ2009」というイベントが開催されました。参加者は厳重に限定されていました。日本を代表するレーサー長谷見昌弘さんら6名のライダーとサポートする1台のクルマ。総勢は10名ばかりですが平均年齢は59歳。事前の健康診断では、かなりきびしい指摘を受けた模様です。
そこで、わたしたちADICが支援に乗り出したのは、ずばり高山病対策です。わたしたちは、呼吸器系に特化した在宅医療機器のディーラーですから、酸素供給に関しては少なくない経験を持っています。過去14年間に7500名を超える呼吸不全などの患者さんに接して、その臨床経験数も相当なものだと自負しております。
今回は参加される皆様に、都内の専門病院で事前に健康診断を受けていただくことにしました。日本山岳会の会員でもありネパールの高地で医療経験もある淳クリニックの内藤先生に、コンサルティングをお願いし都内で会食をすることになりました。そこにはパリダカの最多出場記録と20年連続完走という偉大な記録をもつチームスガワラの菅原義正さんも参加。どうも今年からテロの影響でアフリカから南米の高地に移された、ダカールラリーでやはり酸素不足を感じたのだそう。4000mを越える辺りから起こるであろうさまざまな高度障害やその対処法など、みなさん熱心にメモを取ったり質疑をしたりと、充実の事前プログラムをしっかりと消化してまいりました。

最新式酸素濃縮装置KM-Xが大活躍

サハラマラソン2015

ところで、現地にはバッテリ-内蔵式、DC/AC電源で使用出来る最新式酸素濃縮装置KM-X(メトラン社製)を持ち込むことにしました。チョモランマBCでこのモデルのパンフレット用の写真を撮ってきてもらおう!というのも目論みでした。さらに参加者の体調管理を行うための血圧計やパルスオキシメーターも用意。さらにエマージェンシーのために、ガモフバッグ(携帯用の高圧室)も携行させるという徹底振りで、高度障害による事故を起さないという体制を整えました。
9月24日。カシュガル近郊のカラクリ湖(標高3600m)で最後の高度順応を済ませたメンバーは、タリム盆地の縁にそってカルギリクへ。わたしたちもこの文明の十字路までクルマで見送り、数日間は不測の事態の備えてカシュガルで待機しました。

チョモランマBC(ベースキャンプ)に到達。

そして無事に新疆からチベットに入り、4000m、5000mの峠を次々と越えて進んでいるという情報の元、安心して帰国の途に着きました。そして無事にチョモランマBCに到着したと連絡が入りました。酸素濃縮機は大活躍とのこと。さらに彼らは毎日、朝夕に血圧と血中酸素濃度を測定し、全員で健康状態を管理しあっていたといいます。

生命を脅かすほどの過酷な自然。神々の座チョモランマなどの8000m級の巨峰群。限りなく宇宙に近い場所。彼らはそこでなにを見、なにを感じ、なにを得たのでしょう。そんなことを考えていると、とてもワクワクした気持ちにさせられます。ちょっぴり高山病も心配でしたが、こうしたおじさんたちの胸にある、少年の頃から持ち続ける永遠の憧憬。応援しながらも実は、彼らから応援されているのは自分たちではないのだろうか、そんな清清しい澄んだ酸素のような気分にさせられたこともご報告しておきます。このイベントは無事に全員ラサに到着、元気に帰国しました。この詳細は、また次回以降にもレポートいたします。

第2回レイドトレックチョモランマ同行記を読む→

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